旬の実りに寄り添い続けて130年以上
“果物の超専門店”のモノづくり

54_千総

所在地 大阪府堺市美原区黒山463-1
TEL 072-247-7388
ホームページ https://sen-sou.com

代表取締役 西辻 宏道

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記者からのおすすめポイント

2023年7月に、新社屋と工場、そして旗艦店であるカフェ&ショップ『NANASOFUTA』をオープンした千総。「旬の実りに、もっと寄り添いたい」と名付けられた店名は、同社の自然と果実への想いが詰まっています。ファクトリズムも、もちろんこの新天地で開催。果物本来の味、香り、食感をモノづくりの視点から楽しんでください。

どんなものを作ってる会社?

クラシカルジャムのオリジナルブランド「Atelier confiture」をはじめ、コンフィチュールシリーズなどの果物加工品を製造しています。当社はもともと、明治20年に果実商として創業し、以来100年以上にわたり果物の販売を商いとしてきました。現在の加工製造業に業態転換したのは、4代目である私が社長就任後の2003年のことで、今年でちょうど20周年となります。現在、自社ブランドとして製造しているジャムは約40種類。それぞれの果物の産地と品種をネーミングに冠しているところが特徴です。果実商として育ってきた身からすると、たとえば「イチゴ」と一口に言っても、福岡の「あまおう」と栃木の「とちおとめ」は全く別のものという意識があるんです。その違いを知っていただき、それぞれの美味しさを楽しんでほしい。そういう想いを込め、産地と品種をストレートに商品名としています。

         

ココに釘付け!

一番のこだわりは、フルーツそのものの美味しさをわかっていただけるよう、添加物を一切使用していないところです。糖度もできる限り下げて、甘さ控えめに仕上げています。また、地元・大阪産の果物を積極的に取り入れているところもこだわりです。たとえば、千早赤阪村でつくられるイチゴの「紅ほっぺ」。弊社の商品でもっとも古くからある「イチジクジャム」の材料となる「河内いちじく」もその一つです。そんな多様なジャムを通じて、果物の美味しさや魅力をもっと知っていただきたいと思っています。

モノづくりの歴史・ターニングポイント

やはり、加工製造業に移行した20年前が大きなターニングポイントです。当社にとって、かなりドラスティックな業態転換だったので。また、実は10年前からは自社農園を整備して農業も始めています。自分たちで栽培したものを自分たちで加工して販売するという、いわゆる「6次産業化」ですね。果実商として100年以上にわたり3次産業=流通販売業に携わり、20年前からは2次産業=加工業、そして10年前からは1次産業=農業に参入したという流れです。私たちはこれを「川下からの6次産業化」と呼んでいます。やっていることは変化し続けていますが、果物を扱うというルーツはしっかりと守り続けています。

これから見据える未来

自社ブランドと併行してOEMの開発も数多く手掛けています。その際の当社の基本スタンスは「やってみる前に断らない」というもの。どんな案件でもまずはチャレンジしてみるということです。結果的に商品にならなくても、そこで培った経験とノウハウは必ず私たちの大切な資産となります。また、製造業ではなかなか人が主役になりにくく、製品ばかりが前に出ていきがちですが、そうではなく人の力で仕事ができるようになりたいですね。例えば、ホテルのレストランなどでは総料理長の力ってすごく大きいものじゃないですか。私たちもそういうふうになっていきたい。商品開発のコンサルタントをやるなど、要はモノではなくノウハウを武器にしていくということです。将来的には、そんな仕事を会社の一つの軸にできればと考えています。

会社を一言で表すと?

一言で表すなら「果物の超専門店」を目指しています。果物の魅力って食べる以外にもたくさんあるんです。見た目の華やかさも大きな魅力ですし、香りもとても素敵です。農業もやっているから分かるんですけど、花もめちゃめちゃかわいいし、観葉植物としての価値もあります。果物のプロとして、そういった果物の多角的な魅力を広め、いつもの暮らしの中に採り入れてもらえるよう、さまざまな提案をしていきたい。そういう意味で、果物における専門店を超えた専門店でありたいと思っています。

つくり手の想い・伝えたいこと

私たちがつくるジャムは、その多くを生の果物から加工しています。意外に思われるかもしれませんが、実はこういうことは大手メーカーはあまりやらないんです。1次加工された原料を使って2次加工する、というところがほとんどだと思います。生の果物は相場の変動も大きく、また生鮮物のため菌も入ってくるので、大手では扱いにくいんですよ。その美味しさの違いを知っていただきたいですね。あと、加工する職人のスキルにも注目してほしいですね。ジャムを煮詰めていく際の熱加減など、シンプルですが奥深い熟練の技があるからこそ、良質なジャムをつくることができます。そんな私たちのものづくりにかける想いをわかっていただければ幸いです。