堺から世界最高レベルの加工を!
アナログ機械で生み出す最新技術

51_奥谷金網製作所

所在地 大阪府堺市美原区丹上460
TEL 072-361-9121
ホームページ https://www.okutanikanaami.co.jp

副工場長 張田 聡一

工場見学・ワークショップ

タイムテーブルから予約する

記者からのおすすめポイント

年季の入った大きなプレス機。パンパンパンパン…という小気味の良い音を立て、金属の板に開く無数の孔(あな)。奥谷金網製作所の堺工場は、この孔を開ける技術を追求し、日々進化し続けています。実はこの技術、世界にも誇れる技術なのだとか。堺の小さな工場で、ここでしか見られない技術をのぞいてみませんか?

どんなものを作ってる会社?

私たちがつくっているのは、「金網」。といっても、皆さんの想像するような料理用の金網などではなく、工業用の金網の総合メーカーです。特に近年は、「パンチングメタル」と呼ばれる、金属などの板にパンチングプレスの金型で孔を開けて加工したものをメインでつくっています。これらは、産業機械や自動車関係、建築関係など様々な業界で使われ、板厚や孔の大きさ、孔と孔の幅も様々。特に堺工場では、他社では難しいと言われる加工にもチャレンジし、世界一の技術を目指しています。

         

ココに釘付け!

この堺工場のプレス機は、50年近く使っているものがほとんど。こんな古い機械を使っているのには訳があります。本当に手間がかかって大変なのですが、プログラム制御だとどうしても融通が利かないところを、このアナログ機械なら職人のアレンジで実現することができる。製造業って、そこが面白いと思うんです。「最新の機械=最先端の技術じゃない」というところが。そうやって可能にしたのが、『スーパーパンチング』。この技術は、通常は加工不可とされていた板厚よりも孔の直径が小さい加工も可能にしました。孔が小さいのに板が厚いと、孔を開けるためのパンチピンが折れてしまうんです。それを職人の技術とパンチピンの工夫、金型などで実現しています。しかし、それでもパンチピンが折れてしまうことも。そんなときに使われる業界の言葉が、「パンチが折れても心は折れるな」(笑)。そのくらい難易度が高く、手間がかかる技術なんです。皆さんにも、このアナログ機械による高度なモノづくりを、目で、耳で体感してほしいですね。

モノづくりの歴史・ターニングポイント

当社の創業は1895年。128年の歴史があるモノづくり企業です。創業当初から社名のとおり「金網」を製造・販売してきました。50年ほど前から、パンチングメタルの製造がスタートし、今ではそちらが主軸となっています。本社は神戸市ですが、工場は明石工場と、今回ファクトリズムに参加する堺工場の2つ。その堺工場は、2007年にユニパンチ工業と経営統合してできた工場です。皆さんに見ていただくプレス機などの機械も、前社から歴史を引き継いだ働き者たち。丁寧にメンテナンスし、現在は当社の中でも難易度の高いパンチングメタルを堺工場が担当しています。

これから見据える未来

「ホール・ソリューション・カンパニー」というテーマのもと、お客様の問題解決に挑んでいます。将来的には、お客様が抱えるHole=孔の問題について、プレスだけでなく電子ビームやレーザーといった様々な手段を使って解決していくことを目指しています。また、堺工場に関しては、今年のスローガンが、『挑戦』。その取り組みの一つが、このファクトリズムへの参加です。全社的にもオープンファクトリーイベントへの参加は初めて。全社の先陣を切った挑戦になります。ファクトリズムは、これまで自分たちが行ってきたモノづくりを他の人にわかりやすく伝えることで、自分たち自身の成長や気付きにもつながると感じています。この挑戦で、より多くの方に私たちのモノづくりを知っていただきたいですね。

会社を一言で表すと?

奥谷金網製作所は、社員一人一人の『挑戦空間』です。例えば社員から、「こんなものをつくってみたい!」という声が上がれば、全力でサポートできる体制が整っています。そうやって挑戦することで、社員一人一人が自己実現を果たし、自分自身の成長や誇りにつなげられる。そして、自分自身が家族や友人に誇れる会社をつくっていこう!という思いを込めた「挑戦空間」という言葉。経営理念の一部にもなり、全社員にも浸透しています。

つくり手の想い・伝えたいこと

「1.01と0.99の法則」という言葉をご存じでしょうか? 1.00を100%とすると、1.01というのは100%やり切るよりも、さらにほんの少し上回ること。反対に0.99は、ほんの少しさぼること。2つの差はわずかですが、それが100日になると、昨日より頑張った1.01の100乗で2.7に。そして、昨日よりさぼった0.99の100乗は、0.37。その差は歴然です。毎日少しずつでも努力や成長することによって、生み出される成果があるということ。私たちはこの積み重ねの努力を大切にモノづくりに挑んでいます。その成果である製品は、見えないところに使われることが多いですが、お客様から「ありがとう」という言葉をかけていただいたときには、自分たちの仕事が役に立っていると実感でき、モノづくりの醍醐味を味わえます。ファクトリズムでは、こういった積み重ねの成果も感じてもらえると嬉しいです。

協賛パートナー

コラボレーションパートナー

メディアパートナー

クリエイティブ監修

共催

後援

協力