“にじん”で“揺らぐ”は注染(ちゅうせん)の魅力
定まる想いは次代への願い

ナカニ

所在地 大阪府堺市中区毛穴町338-6
TEL 072-271-1294
ホームページ https://nijiyura.com

代表取締役 中尾 弘基

記者からのおすすめポイント

たっぷりの染料で染められる注染の「にじみ」を活かし、柔らかく美しいデザインで、多くの手ぬぐいファンを生んだブランド『にじゆら』。その生みの親であるナカニさんがブランドに込めた想いは、「注染を次代につなぐ」という力強いもの。そのために走り続けているという同社のファクトリズムでは、注染の魅力をたっぷり味わっていただけます。職人の手さばきや染料の香り、はためく色とりどりの生地、そして出来上がる粋なデザインの手ぬぐいたち。明日から皆さんも、ハンカチの代わりに手ぬぐいを一枚。

どんなものを作ってる会社?

今から100年以上前に大阪・堺で生まれたと言われる染色手法「注染」による染色加工を行っている会社です。「手ぬぐいなど反物の染色」と言った方がわかりやすいでしょうか? さらに、自社の注染手ぬぐいブランドを展開。現在全国に直営店を6店舗とオンラインショップを運営し、企画・デザイン、型、染め、発信・販売が一貫したモノづくりを行っています。関西の私鉄や飲料メーカー、老舗喫茶店、菓子メーカーなどとのコラボ手ぬぐいや、堺ならではの古墳モチーフの手ぬぐいなど、手ぬぐいの可能性が広がるユニークなデザインも発信中。ファクトリズムでは、こういった注染独自の技法、例えば糊置き、注染、水洗い、乾燥といった職人の手作業を見学することができます。

ここがスゴイ!

注染の特徴である染料の「にじみ」や「ゆらぎ」。一般的な染め物の世界ではタブーとなるこのにじみやゆらぎを、逆に独自のデザインに活かしたのが当社の手ぬぐいブランド『にじゆら』です。2008年に立ち上げた当初は、手ぬぐいと言えば伝統的な和柄がメイン。若い女性に手に取ってもらいたいと、デザイナーさんと一緒におしゃれな雑貨のようなデザインで手ぬぐいをつくりました。色鮮やかなグラデーションやレトロモダンな絵柄、懐かしくて可愛らしい絵柄など、季節に合わせた新作も発表し、メディアにもたくさん取り上げていただきました。さらに直売店では、注染の体験コーナーの併設やワークショップの開催など、単なる手ぬぐいブランドではなく、“工場直営”だからこそのモノづくりの想いや楽しさが伝わるブランドとして展開しています。
そして、この『にじゆら』を立ち上げた理由は、注染という堺発祥の昔ながらの技法を、次の世にも残していきたいという想いから。優しいデザインの中にも、注染への熱い想いが込められているんです。

自慢したいプロダクトや技術

堺市に工場を置く世界の釣り具ブランド「SHIMANO」。この直営店SHIMANO SQUAREさんとコラボしていただいた手ぬぐい『LURE』が自慢の逸品です。コラボするきっかけは、SHIMANO SQUAREさんのカフェスタッフの女性が、当社の手ぬぐいのファンだったこと。そこからコラボが決まったのですが、実は私自身も釣り好きでシマノさんのルアーの大ファン! いつか手ぬぐいをつくらせてもらいたいなと夢見ていたので、シマノさんからこのお話しをいただいた時には、本当に大興奮でしたね。この手ぬぐいに描かれているルアーは、すべて本物のシマノさんの製品をトレースした形。何と25色も使って、それを細かく土手で分けながら、注染で一度に染めたんです。職人はかなり大変だったようですが、おかげで鮮やかなカラーのグラデーションが人気の商品になりました。手ぬぐいは釣りの時にも、手をぬぐったり、日よけにしたり、リールなど道具を拭いたりと様々な使い方ができます。釣り好きの人も、そうでない人も、お出かけの時には“手ぬぐいを1枚”。

モノづくりの歴史・ターニングポイント

2022年で創業56年。当時は商社の子会社、製造部門のような形で創業しました。ですから、最初はずっと注文を受けたものをつくるというモノづくりをしていたんです。ターニングポイントとなったのは、やはり2008年に手ぬぐいブランド『にじゆら』を立ち上げたことですね。そこから、大阪、京都、神戸、東京と直営店を展開していき、現在6店舗を運営しています。このブランドを立ち上げたことが、当社の認知度を高め、お客様だけでなく、「注染にかかわりたい」という若い職人やスタッフが増えたことも大きな収穫でしたね。今はそういった人材が育ち、現場からもどんどん声を上げてくれるようになりました。職人さんによるデザインの手ぬぐいシリーズもありますので、ぜひご覧ください。

これからチャレンジしたいこと

「注染の手ぬぐいを大阪のお土産に!」それが私たちの目指していることの一つ。せっかく大阪発祥の染め物で、しかも手軽に扱えて、食べ物みたいに賞味期限もない。お土産にピッタリだと思いませんか? 関西の企業さんとのコラボ手ぬぐいも多いので、さらに数が増えれば、大阪の玄関口などにそれらを集めたお土産手ぬぐいの専門ショップをつくることも構想中。そして、2025年には「大阪万博」も開催されますので、そこで工芸パビリオンをつくっていただき、伝統工芸全体を盛り上げていけたらいいですね。もちろんその時は、大阪の注染手ぬぐいも出展し、国内外にアピールしていきます。

会社を一言で表すと?

「常に走っている、走りながら考えている会社」です。ちょっと和やかな手ぬぐいのイメージとは違うかもしれませんけど、常に新しいことをしようと、停滞しないように考えを巡らせています。伝統産業として残していくところはありますが、それだけでは注染を守っていくことは難しい。ブランドを立ち上げたときと同じ感覚で、ブランドがあるから安心ではなく、常に新しいことを。例えば最近も、中崎町の店舗を移転し、手ぬぐいとカフェのお店「ここことにじゆら」をオープンしました。これも新しい試みで、規模は以前のお店よりもこぢんまりとするんですが、よりゆったりと手ぬぐいを選んでもらえるというコンセプト。そうやって常に前進することで、注染の技法を守っていきたいと思います。

つくり手の想い・伝えたいこと

手ぬぐいというと、若い方にはあまり馴染みのないものかもしれませんが、とにかく一度手に取って、使ってみてほしいですね。「にじゆら」の手ぬぐいは、現代的なデザインや日常を切り取ったユニークなデザイン、絵本から飛び出してきたような可愛らしいデザインなど、皆さんが気に入るデザインもきっとあるんじゃないかと思っています。ちょっと大人になったら、タオルを卒業して手ぬぐいへ。そんなトレンドができる日も近いかもしれませんよ。
まずは、ファクトリズムにお越しいただき、手ぬぐいの世界を目の当たりにしてください。「大阪の注染を次の世代に」という想いを持った職人たちが、皆さんをお待ちしています。

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