どんなものを作っていますか?
手ぬぐいや浴衣の元になる木綿(もめん)生地は、元々生成り色(きなりいろ)をしています。その木綿生地の不純物を取り除き、白く漂白し、柔らかい風合いに仕上げるのが和晒です。時間をかけて生地にストレスをかけない製法なので、吸水性や通気性が良く、肌触りが良いのが特徴です。さらに、ロール捺染機やスクリーン捺染機を使って、染色やプリント工程までを一貫して行っています。作られる製品は、企業のノベルティや昔ながらの浴衣・寝巻きの他、自社ブランドのホームウェアやパジャマ、アパレル製品なども展開しています。
会社を一言で表すと
「地域と共にある企業」です。私たちは、堺の地場産業として、常に地域と一緒にありたいと思っています。体験工房も、少しでも地域活性化につながればという思いで開設しました 。同じような和晒を作る会社は、現在この近辺で6社しかありません。最盛期は30軒ほどあったと言われているので、ずいぶん減ってしまいました。この6軒で日本の和晒の9割を作っています 。この貴重な和晒の技術を次世代に繋げていくため、今後も地域とつながりながら挑戦を続けていきます。
モノづくりの歴史・ターニングポイント
2021年3月に「絞り染め体験工房」を開設しました。これは、和晒を使って雪花絞りなどの染め技術で手ぬぐいなどを作ることができる体験スペースです。この工房を開設したのは、堺の地場産業である手ぬぐいと、それに携わっている私たちのことをどんどん発信したいという思いがあったからです。今後は、さまざまな工芸染色も体験できるように幅を広げていくことを計画しています。FactorISMでも、オープンファクトリーはもちろん、この工房で絞り染めのワークショップも予定しています。工房にはショップも併設しており、自社製品の衣類や手ぬぐいなども手に取って見ることができますので、ぜひお越しください。
参加者に感じて体験して欲しいこと!
「見る」という体験を通して、堺の伝統的な地場産業である和晒の良さを感じてほしいです。絞り染め体験では、色鮮やかに染まった仕上がりを目で見て感動していただけると思います。染め上がった生地を水洗いして持ち上げた瞬間の出来栄えは本当にきれいで、絶好のシャッターチャンスです。嬉しそうに動画や写真を撮る参加者の姿が印象的です。一人ひとり仕上がりが違う楽しさもあり、「次はこうしたい」とリピートを検討する方も多くいらっしゃいます。
「ものづくり」を引き継ぐために今取り組んでいること
現在、体験工房で行っている絞り染めの手ぬぐいや、工場にあるシルクスクリーンのプリント加工を使って、新しいブランドやコラボ商品を企画しています。和晒の工程と合わせて、手間暇かけた堺の地場産業である和晒を、さまざまな産業と共に、もっと広めていきたいと思っています。