どんなものを作っていますか?
私たちは、主に料理用の「和包丁」を製造しています。お寿司屋さんのカウンターで使われる「刺身包丁」、大きなマグロを切るための「マグロ切」、家庭用の「万能包丁」まで、幅広い種類の包丁を作っています。見学時には、普段手に取ることがないような変わった包丁も見て、触れていただけます。
会社を一言で表すと
「職人による手造りにこだわる」会社です。伝統産業の中では若手スタッフが多く(20〜30代)、若手が活躍しやすい会社です。上下関係が厳しいとされる業界の中で、職人同士がお互いの意見を言いやすい環境づくりを重視しており、そのコミュニケーションがより良いものづくりにつながると考えています。伝統を守りながら、若い方の発想や新しい技術を取り入れるなど、新たなものづくりにも積極的です。
モノづくりの歴史・ターニングポイント
創業者は「鍛冶職人」として、地元の刃物産業を支えてきました。時代と共に業種が変わり、「製造問屋」として事業を続けてきました。しかし、職人の高齢化と作り手の減少を鑑みて、2017年に自社で「刃付工房」を立ち上げ、今では若手職人の育成に力を入れています。また、10年以上前に木柄に「漆」を塗った新製品を開発したことが、海外進出のきっかけとなりました。
参加者に感じて体験して欲しいこと!
参加者の皆様には、平べったい金属板が包丁になるまでの一連の工程を体験していただきます。職人たちは、大きな回転砥石が金属を削っていく感触を手で確かめながら包丁を研いでいます。研がれた刃を木柄に木槌で打ち込んで合体させ、包丁を完成させる瞬間は、ものを作り上げた達成感が湧き上がります。刃や木柄に手で「触れる」ことで伝わってくる振動を体験し、包丁作りの楽しさと奥深さを感じていただきたいです。
「ものづくり」を引き継ぐために今取り組んでいること
若手育成のため、「刃付工房」内で研ぎや刃付けの体験だけでなく、包丁の研ぎ製作を本格的に経験してもらう取り組みを行っています。アメリカやフランスなど、海外で堺打刃物を研ぐことができるような支援もしています。また、地元で刃物産業に携わる方々を集めた青年部「堺若刃会」というグループを立ち上げ、他の事業所や職人さんと共に、幅広い交流を続けています。