どんなものを作っていますか?
完全自社生産による本革オーダーメイドランドセルを製造しています。ランドセルは300以上の工程を経て、形になります。生田では裁断から縫製、糊付け、ミシン掛け、組立、検品にいたるまですべての工程を自社生産しています。すべての工程を社内で手掛けるからこそ、細かなオーダーメイドにも対応しています。また、お客さまに安心・納得してランドセルを選んでもらえるように、工房は常に誰にでもオープンです。
会社を一言で表すと
「ランドセルで人生を楽しくする会社」
ランドセルは一つの会社や、一人の作り手だけでは作り上げることができません。ランドセルを選んでいただくお客さま、ランドセルに必要な部材を納入してもらえるサプライヤーの皆さん、安心・納得してランドセルを選んでもらえるようにお客さまに寄り添いながら接客してくれる販売スタッフ、そしてそれを形にする作り手、ランドセルが出来上がるまでにたくさんの想いが積み重なっています。私たちは、生田のランドセルに関わる全ての人が「生田で買いたい」「生田と取引したい」「生田で働きたい」と思ってもらえるように、関わるすべての人たちが楽しく幸せになることを目標に、日々活動しています。
モノづくりの歴史・ターニングポイント
生田は、創業以来、ランドセルを製造する小さな町工場でしたが、1970年代に三重県に工場を展開し、大量生産に入ります。当時は入学児童数が200万人近くいて、作れば売れた時代でしたが、次第に工場での大量生産に疑問を感じバブル最盛期に撤退。それ以来創業の地である大阪市生野区で熟練の作り手による本革ランドセルのみを製造し続けています。1997年からはランドセルメーカーとしていち早く問屋への卸売りモデルから脱却し、直販を開始。現在では「ランドセル工房生田」のブランドを確立し、世界に一つだけのオーダーメイドランドセルをお届けしています。
「ものをつくる」ことの楽しみは
ランドセル選びは子どもたちにとって一生に一度の出会いであり、私たちはその大切な出会いに立ち会うことができる数少ない会社です。そのために生田では、ただランドセルを販売するだけではなく、お客さまに「ランドセル選びの楽しみ」を提供できる会社でありたいと考え、様々な取り組みをしています。その一つにオーダーしたランドセルの製造過程を実際に工房で見てもらえる「Myランドセル見学ツアー」があります。自分のランドセルがどんな場所で、どんな人が、どんな思いで作っているのか、直に見て感じて欲しいと始まった企画です。その中で作り手たちも新しい発見や感謝の言葉をいただき、日々成長を実感できる瞬間が楽しみの一つです。
作り手の想い -大切にしている考えや価値観-
生田のランドセルはその8割近くが受注生産によるオーダーメイドです。製造するランドセルは在庫品ではなく、ほぼすべて、実際に使ってくれる子どもたちの顔が見えるランドセルばかりです。生田では、繁忙期には、販売のスタッフだけでなく作り手たちも全国を飛び回り、実際に接客に当たります。ランドセルは子どもたちだけでなく、そのお父さん、お母さんやおじいちゃん、おばあちゃんまで家族みんなの思いが詰まったかばんです。その思いを作り手それぞれが受け止め、その期待に応えられるようなものづくりを大切にしています。
「ものづくり」を引き継ぐために今取り組んでいること
実は現在流通しているランドセルの8割以上は人工皮革のランドセルです。本革ランドセルが市場に占める割合は年々減っており、それに伴い本革ランドセルを作ることができる職人もどんどん減っています。生田では本革ランドセル作りの技術を継承するために、定期的に作業内容を入替え、若手職人が様々な工程に触れることができるように工夫しています。また、ここ数年で急激な少子化の波が押し寄せており、ランドセルメーカーも過渡期を迎えています。130年以上続くランドセル文化を残すためにも、ランドセルメーカーだからこそできる新しい取組は何かを模索しながら、本革ランドセル作りの技術を継承していきたいと思っています。