どんなものを作っていますか?
「電磁ポンプ」の研究・開発・製造を行っています。と言っても、一般の皆さんは、なかなか目にしたことがないものですよね。電磁ポンプとは、銅線を巻いたコイル部品を中心に20以上の部品で構成され、灯油や油、水などの液体を電磁気学的な力で移送する製品です。例えば石油ファンヒーターでは、この電磁ポンプがタンク内の灯油を連続的に一定量移送することで燃焼につながっています。他にも温水洗浄便座や石油給湯器といった、皆さんの暮らしの中のさまざまなシーンで活躍しています。
会社を一言で表すと
一言で言うと、真面目で古風な会社。例えば、メーカーと新製品を研究開発するのに3年くらいかかることが多いんですが、そこまでやるの!?というくらい徹底的にトライ&エラーを繰り返し、細かなところまでこだわったモノづくりを行っています。逆に言うと、それだけ慎重にモノづくりをしているということ。なにしろ私たちがつくる製品は、皆さんのご家庭で使用する火に関係するもの。安全にはこだわりぬいています。そういった日本の昔ながらのモノづくりを日本人の気質たっぷりに行っている会社ですね。
モノづくりの歴史・ターニングポイント
当社はもともと、鋳物・金物製造からスタートして今年で97年。世界で初めてガラス繊維を使った「石油コンロ用のガラス芯」を開発し、現在では国内で製造されているすべての石油スト―ブに当社のガラス芯が使われています。その研究開発のノウハウを活かしたのが電磁ポンプ。しかし、当初はコストと技術力のバランスが難しく、不良品も多い事業で採算が取れませんでした。「現場の意見を尊重したモノづくりをしよう」と、悪い知らせでも正直に報告できるような空気づくりから始めたことで、トラブルが少なくなって、利益率も上がり、さらに工場内の雰囲気も穏やかになりました。社員みんなで“正直なモノづくり”を続けていきたいと思っています。
「ものをつくる」ことの楽しみは
私たちのつくる石油ストーブの灯芯は、決して華やかなものでも、目立つものでもありません。でも、暮らしの必需品の中に「実は使われているんです!」という製品。そういった目立たないものであっても、メーカーさんを通して「社会に役立てるものをつくる」ことです。モノづくりを、このファクトリズムでも身近に感じてもらえたら嬉しいですね。
作り手の想い -大切にしている考えや価値観-
石油暖房機器が生活の必需品であった昭和の時代、人々がより安全で安心できる快適な住環境の実現を考え、当社のガラス繊維を使用した石油ストーブ芯が誕生しました。令和になった今、生活スタイルも変化し住環境も大きく変わってきていますが、当時の思いはそのまま、人々の生活に寄り添い安全で安心できる快適な空間をサポートする製品を開発していくことを我々は目指しています。
「ものづくり」を引き継ぐために今取り組んでいること
「人に左右されないものづくり」を目指しています。
特定の人しか出来ない工程をなくすため、部品の共通化や一人が複数の業務をこなすスケジュール管理を行っています。また、設備のアップデートをおこない、作業する人の負担を軽減しています。その一つが電磁ポンプ組立ラインの自動化です。最終の調整やチェックなど人でしかできない部分があるため完全自動化ではないのですが、作業する人の負担を減らし、より良いものをつくるため、出来るかぎりロボットの導入を進めています。
その他、就業規則や社内制度を時代に合わせてアップデートし、より働きやすい職場環境づくりを進めています。今後は、より安全で快適な職場のため、一部ですが従業員の共有スペースをリニューアルいたします。