代表取締役社長和田 武大
会社の歴史や
事業内容
1883年に大阪・天満で創業し、130年以上 の歴史があります。当初は豆類、寒天、海 苔、椎茸など乾物全般を扱う卸売をしてい ました。太平洋戦争後に製造へとかじを切 り、3代目が「ごま」に注目。現在では洗いご まを焙煎し、炒りごま、すりごま、ペースト、ご ま油、さらにふりかけなどの商品も製造・販 売しています。
強み ・ 特長
(商品や技術力)
ごま専業メーカーは全国でも20社程度。当 社は決して大規模ではありませんが、ごま を香り良く仕上げる焙煎技術が大きな特 長・強みです。もう一つは国産ごまにこだわ り、その取扱量が国内でトップクラスである ということ。近年では自社で畑を耕し、ごま の栽培から製造・販売を一貫して行ってい るところも他にない特徴です。
今後のビジョン
構想
ごまは和食にとって欠かせない伝統食材で ありながら、現在日本で食べられているご まの99.9%以上が輸入品。国内の生産者も 減っており、私たちは大きな危機感を持って います。そこで消費者のみなさんや料理家 の方々も巻き込み、たくさんの方と一緒にご まを栽培して国産ごまを広め、まずは国内 自給率1%を目指したいです。
跡継ぎの立場として代表になるまでに感じた会社の課題や
代表に就任し取り組んだことは?
2008年から家業を手伝うようになり、取り組んだのは海外展開です。当社 のごまは香りも味もよく、以前からメディアにも多数取り上げられていたた め、「日本一、いや世界一おいしい」という自信がありました。それを証明し ようと海外の展示会に出展したり、サンプルを持って営業活動を行い、多く の有名シェフに認められました。これまでミシュランの星付きのシェフが何 人も八尾の工場を訪れ、その味と香りに驚いてくれています。
先代や先々代の社長様とのエピソードや記憶に残っている
出来事を教えてください。
4代目社長である父は約45年にわたって焙煎に携わり、技術を確立しまし た。「ごまを美味しく焙煎する」という当社の強みをつくり上げ、70代となっ た今も現役で当社のごまの品質を支え続けています。私が小さい頃もずっ と工場にいたので、遊んでもらった記憶はほとんどありません。しかし今に なってみると、それだけごまの焙煎に一生懸命打ち込み、誰にも真似できな い味のつくり方を確立した点は大いに尊敬すべきだと思います。
今回、オープンファクトリーfactorIsmに参加しようと思った
理由・背景について教えてください。
海外の方と交流するようになり、日本では職人さんや裏方への評価が低い と常々感じていました。同時に、彼ら・彼女らの自己表現やプレゼンが下手 だということも。このイベントは職人さんや裏方に光を当てられる大きな チャンスです。失敗することもあると思いますが、私も一緒に表現上手に なっていけたらと考えています。
オープンファクトリーイベントのプログラム構想・内容、
来場者に特に伝えたいことを教えてください。
来場してくださった方々に「料理上手になれるかも!」と思っていただきたい です。焙煎したての温かいごまを味わえば、「ごまってこんなに美味しいん だ!」と感激していただけるはず。これを料理に使えば家族が喜んでくれる、 良いものを使えば料理は簡単で美味しくなる——そう感じていただける内 容にしたいと思います。
オープンファクトリーイベント開催を通して、
貴社の中で期待したいことなどをお聞かせください。
職人さんや裏方のスタッフは照れ屋な人が多く、普段は人とあまり話さず 黙々とものづくりをしているのですが、このイベントを経験し、まずは表現や プレゼンが上手にできるようになってほしいという思いがあります。また、お 客様と交流することで、人に喜んでもらえる仕事をしているんだと感激でき る機会にしたいですね。