「水」インフラを支える独自の「熱」技術
地道に挑戦する鋳造メーカー

ヤナギモト

所在地 大阪府高石市高砂3-17
TEL 072-268-0035
ホームページ https://yanagimoto.jp/

代表取締役 柳本 喜満

記者からのおすすめポイント

1,700℃という想像も絶するような熱さ。溶けた金属がマグマのように流れ出る様子は、圧巻の一言です。「鋳造」という伝統的な金属加工に挑み、独自の技術で国内大手ポンプメーカーから高い評価を得るヤナギモトさんは、ファクトリズム初参加。国内外のインフラを支える職人と鋳造のリアルな熱を感じてください。

どんなものを作ってる会社?

私たちがつくっているのは、皆さんが生活するためのインフラに直結したもの上下水道などのポンプに使われる「インペラ(羽根車)」をつくっています。これが回って水を動かしており、インペラでポンプの性能が左右される、いわばポンプの心臓となります。納入しているのは大手ポンプメーカー。国内の上下水道だけでなく、最近では、中東アジア圏などの海水を淡水に変える特殊なポンプにも使われています。つまり、国内外で、人の生活に必要不可欠なモノづくりを行っているということです。

ここがスゴイ!

私たちが手掛けているインペラは、「鋳造」という金属加工の方法でつくっています。鋳造は、例えて言うなら、“たい焼き”のようなもの。溶かした金属を型に流し込んで形をつくっていくのですが、なんとその温度は1,700℃! 皆さんの想像を超えるような熱さの金属を扱っています。火山の噴火口を見るような、その豪快な鋳造工程は、ファクトリズムでも安全に配慮しながら見学できるように計画中です。この鋳造という金属加工は、奈良の大仏にも使われているほど古くから伝わっている加工法で、型をパズルのように組み合わせれば、もっとも自由に金属を形づくることができる工法です。“不変かつ自由に”なる工法、それが鋳造なんです。

自慢したいプロダクトや技術

私たちがつくるインペラは、たい焼きのあんこの部分に当たる中身の形状が複雑。そのため、外側のフレームのような役割をする型(主型)と、複雑な中身の形状をつくるための「中子(なかご)」と呼ばれるものを合わせてつくっています。この中子がポイント。当社の中子は、通常、砂と樹脂を混ぜ合わせただけなのですが、当社ではさらにそれを焼いてセラミックのようにすることで、強度を高く、ガスの発生を少なくしているんです。これにより、複雑な中身の構造を実現することができ、ヤナギモトにしかできない一品一様のモノづくりを行っています。そして、「薄さ2.4」という極薄の中子製作を実現。ニッチな技術ですが、“国内No.1”の技術だと自負しています。ちなみに、この主型や中子は、どちらも砂でできているので、完成後は崩して再利用することができ、地球に優しい技術でもあるんですよ。

モノづくりの歴史・ターニングポイント

今から66年前に堺市で創業し、当時は銅合金の鋳造を行っていました。その後、時流に合わせてステンレス鋳造をスタート。2005年には現在の高石市に工場を移転し、国内に3つの工場と2事業所を展開しています。2020年に私が社長に就任し、地道な挑戦を続けています。将来的には、海外への展開も模索中。まだまだ挑戦は続きます。

これからチャレンジしたいこと

2023年からは海外の展示会出展や海外調達も始めようと計画中です。当社の鋳物技術は、世界的に見ても稀有なものだと思いますので、需要があると見込んでいるんです。まずは協力工場を探して、最初に私たちが指導することで、簡単な鋳物であれば向こうで製造しようと考えています。当社には、もともとベトナム人スタッフが20人ほど在籍していて、言葉が堪能な者もいますので、そういった役割も任せられますから。そしてもう一つ、現在既に進行中なのが、作業服のリニューアルです。デザイナーさんにお願いして、カッコイイ作業服をつくってもらおうと打ち合わせを重ねているんです。「新幹線や飛行機にそのまま乗れる作業服」ってカッコイイと思いませんか? それが上手くいけば、そのデザイナーさんのつながりで、自社製品をつくることも考えています。これは社員たちの希望なので、後は社員たちの意欲次第といったところでしょうか。

会社を一言で表すと?

“地道に挑戦”している会社です。私は、先代、先々代から、「モノづくりをやる人間は地道にいかなあかん」というのを常々伝えられてきました。ですから、地道に鋳物に取り組みながらも、新しい挑戦をしようと。作業服を新しくするのも、若い人材が「この仕事カッコイイな」と思って入社してくれるようにと、人材採用の一環です。そして、ファクトリズムも、その挑戦の一環。今年が初めての参加となりますが、良い挑戦になるよう、様々な気付きがあることを期待しています。

つくり手の想い・伝えたいこと

「供給責任を果たす」。これがインフラにかかわるメーカーとして、順守するものだと考えています。そして、「高品質」。メイド・イン・ジャパンのブランドに恥じないよう、高品質な製品をつくり、海外でも「さすが日本製だ」と言ってもらえるようなモノづくりを目指していきます。ファクトリズムでご覧いただく製造工程も、そういった高品質を目指していますので、ぜひ足を運んでみてください。

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