美観にこだわる
0.2mmの目視検査の世界
記者からのおすすめポイント
「検査業務に必要な機械を自社開発しました!」というツルタ電機の社長。それくらい美観検査にこだわり、誇りを持っている同社は、品質に厳しい多くのメーカーからオファーがあるそうです。それらの検査を担うのは、女性スタッフがメイン。女性が働きやすく、活躍できる職場として地域に愛されている同社。ファクトリズムでも、その雰囲気が伝わるはずです。
どんなものを作ってる会社?
皆さんが運転している車や、今日鏡の前でメイクした化粧品。そういった皆さんの暮らしに密着した製品にツルタ電機の仕事がかかわっています。私たちが行っているのは、モノづくりの中でも終盤に近い、「検査」や「組み立て」。自動車に関しては、海外の高級車や国内の乗用車など、様々な車種の内装部品を担当しています。ヨーロッパの厳しい検査基準にも対応できる高い品質は、私たちのプライドでもあります。
ココに釘付け!
私たちが得意としているのは、「目視検査」。目視検査は自動化が進む現代においても、細かい傷などを察知するために欠かせない工程なのです。コンマ0.2mmが限界とされる目視検査ですが、当社は0.2mmから0.5mmの検査が得意。それは、自社開発の目視検査補助装置『ゼブラチェッカー』があるからなんです。この装置は、ゼブラ照明装置の照射により、目視検査で見落としがちな傷も見分けられ、さらに検査員の目の疲労も軽減することができます。構想から3年かかって開発したんですよ。他にも、検査や組み立てに使う治具は、ほとんど自社開発。それによって、誰が行っても安定した品質を保てます。また、そのために工程は全て分割し、複数人で行っています。一人で一貫して行う工場も多いですが、それだと一人が休んでしまうと全てが止まり、安定した製造ができません。それに、社員自身がプライベートと両立するために、気兼ねなく休みを取ってほしいですからね。
モノづくりの歴史・ターニングポイント
もともとは、大手メーカーの国内外向け携帯電話の受け入れ検査と、本工場に入るまでの準備工程、完成後の梱包っていう、モノづくりの前後を担っていました。そこで、検査や組み立て、セットアップをいうノウハウを培ってきたんです。その後時代の流れと共に、「検査業務」という点を軸に事業転換し、付加価値を付けてきました。現在は、自動車、化粧品、食品関連といった幅広い業界の検査やセットアップを担っています。さらに、ウイルスを99.9%減少させる「感染対策商材」、ガラスにコーティングする「省エネ商材」、最大98台の携帯電話を充電できる「防災商材」といった別事業も展開。まさに第二創業期として、成長し続けています。
これから見据える未来
これまで培ってきた検査業務を主とした製造業と、前述した新事業の2軸で多角的に事業を展開していきたいと考えています。検査業務に関しては、今後の流れとして、より美観にこだわるものが多くなってきているようです。これは私たちの得意分野。化粧品業界や雑貨関連などからも期待されています。新規事業に関しても、感染対策、省エネ、防災といった今後も注目度の高い分野ばかり。今後も時代の変化に柔軟に対応し、新たな価値創造に取り組んでいきます。
会社を一言で表すと?
『人から頼られ、より良い情報を発信できる』そんな会社を目指しています。そのために、製造だけでなく多角的な事業展開で社会に貢献しています。また、社員のみんなにも頼りにしてもらえるよう、9年前から働き方改革にも積極的に取り組んでいます。当社の工場を見ていただくとわかりますが、ほとんどが女性社員。小さなお子さんがいる女性も働きやすい環境を整えていています。例えば、近くの小学校で平日に参観日があったら、みんな参加していました。そうやってプライベートを大切にしながら、お互い協力し合って働く体制が整っています。
つくり手の想い・伝えたいこと
私たちは、品質を担保しながら生産効率を上げていくことが一番得意。化粧品など美観的な検査が必要となるものも、クオリティ高く、効率も良く。職人の技術力に頼るのではなく、誰が行っても同じ品質のものができるような仕組みを作っています。だから当社は、「技術者がいない製造業」。誰もが活躍でき、働きやすい職場なんです。