ココにしかない技術と商品
プラスチックの未来をつくる

59_河辺商会

所在地 大阪府堺市西区平岡町85-1
TEL 072-260-6700
ホームページ http://www.kawabe-co.com

代表取締役 福田 康一

記者からのおすすめポイント

「本当にプラスチック!?」と疑いたくなるくらいの高級感と艶。それを実現するのが、環境面にも配慮した河辺商会の他にはないプラスチック成型技術です。ファクトリズム常連の同社では、こういった技術を間近で見られる他、子どもから大人まで楽しめるワークショップも開催。様々な視点で、モノづくりの醍醐味を味わってください。

どんなものを作ってる会社?

皆さんは、「プラスチック成型」という技術をご存じでしょうか? プラスチック成型とは、溶かしたプラスチックを、金型などを用いて求める形に固めて仕上げるもの。私たち河辺商会は、このプラスチック成型品の製造、技術開発、金型作成に携わっています。私たちが手掛けた製品は、家電、自動車、AV機器、カメラ、電池など、皆さんの生活のすぐそばで活躍し、豊かな暮らしや当たり前の日常を支えています。近年では、環境面に配慮したバイオプラスチックやリサイクル材料の使用、さらに“塗装レス”の技術を使って、環境に優しいモノづくりにも注力しています。

         

ココに釘付け!

“河辺商会独自の技術”が強み。一つは、『塗装レス成形』の技術。金属とプラスチックを混ぜることで、その名の通り塗装をすることなくシルバーの金属調の外観をつくることができます。材料自体は既存のものですが、これを綺麗に成型することがとても難しく、実現できるまで何度も試作を繰り返しました。塗装をしないことで環境にも配慮でき、さらに工程も短縮できる。そして、塗装なしでも輝度(輝き)を出せることで、大手自動車メーカーの部品に採用されています。また、2色・3色のプラスチック成型を一つの工程で可能とする『多色一体成型』も、3色で実現できるのは当社以外でほとんどありません。こちらも海外の大手自動車メーカーで採用されています。加えてもう一つの強みが自社商品。2021年に発売したまな板になるお皿『CHOPLATE(チョップレート)』では、廃材の削減にも取り組み、“リサイクル素材100%”使用の卓上で使いやすいミニナイフ『CHOPLATEナイフ』も加わり、2色3サイズで合計7アイテムのシリーズとなりました。こういった独自の技術開発と自社商品の2軸で、今後も成長し続けていきます。

モノづくりの歴史・ターニングポイント

創業間もない頃から大手家電メーカーの仕事を任され、順調に成長していました。2000年前半に当社のお客様から海外への生産移管のお話があったのが一つ目のターニングポイント。その際、電池関係は中国へ、自動車関係はタイへの進出要請がありました。2006年にタイ進出を決定し、今も自動車関係を中心にビジネスを拡大しています。こういった当社の歴史の中で国内での生産案件は減少傾向に。今まで通りのビジネスを続けて良いのか。時代の変化と共に日々自問自答を繰り返し、今後のためにとチャレンジしたのが、自社商品CHOPLATEの開発であったり、積極的な提案営業であったり、受け身ではなく能動的な活動です。様々な展示会にも参加し、私たちの技術や「できること」を発信し、新たな出会いのきっかけにしています。そして、これらのチャレンジを当社の二つ目のターニングポイントとし、次の歴史につなげていきたいと思っています。

これから見据える未来

これからチャレンジしていきたいことは大きく二つ。一つは自社商品の新たな商品展開。現在は、CHOPLATEシリーズを展開していますが、その枠組みにとらわれず、全く新しい商品を一から開発していきたいと考えています。1年や2年かかってしまうと思いますが、その期間に、販路や販売力を付けていくことが2つ目のチャレンジ。提案営業に力を入れてきましたが、SNSなどで幅広く発信しているだけでなく、届けるべき層を明確に絞った提案営業にシフトチェンジしていこうと考えています。近年は新卒採用に力を入れ、新しい仲間も増えてきましたので、発信力を付け、チャレンジを積み重ねていきたいですね。

会社を一言で表すと?

昨年はこの質問に対し、“誠実”という言葉で表現しました。もちろん今も変わらず誠実なモノづくりを行っていますが、実を言うと、会社のキャッチフレーズにもなるこの言葉を決めかねているんです。先程述べたように、ちょうど自分たちで発信していく重要性を再確認していく中で、自分たちの強みや、これから目指す姿、そういったところをもう一度社員も含めてしっかりと考え、「河辺商会は○○○○!」と言えるキャッチフレーズを考えていきたいと思います。

つくり手の想い・伝えたいこと

「お客様のために」というのは、つくり手として当たり前のこと。さらに、使ってくれる人のことを考えたモノづくりをしていきたいと思っています。例えば、どんな素材であれば処理しやすいのか? 環境への配慮を考えているのなら、もっとこんな素材を使うべきではないのか? といったふうに。実際、環境面に関して、バイオプラスチックや再生材料も積極的に使用していますが、当社としては上手く発信できていないことが課題。これからこういった環境面の強みもどんどん発信し、使ってくれる人のメリットも伝えていきたいですね。

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