どんなものを作ってる会社?
当社では、「和包丁」と言われるものをメインに製造しています。例えば、刺身包丁、出刃包丁などプロが使う和包丁から、家庭で使いやすい万能包丁など。お客様の好みのデザインや形などに合わせた細かなオーダーにも対応しています。
ココに釘付け!
「堺打刃物のつくり手を増やしたい」「こだわりを追求したモノづくりがしたい」その想いで2017年に設立したのが、自社の刃付け(研ぎ)工房である「研ぎ工房」。設立の数年前から、若手人材を熟練した職人のもとに修業に出し、準備を進めてきました。現在、その職人やドイツ出身の若手が中心となって、刃付け作業を行っています。
職人技によって、包丁が美しく研がれていく工程をご覧ください。
モノづくりの歴史・ターニングポイント
1916年の創業当時は、鍛冶屋からスタートしました。年月を経て、問屋業へと変化し、2011年には「漆 景清シリーズ」を発売。海外の展示会にも積極的に参加し、日本の包丁を求める世界各国の料理人から高い評価を得るようになりました。そして2017年、堺打刃物のつくり手を育成するため、前述した「研ぎ工房」を新設しました。後継者育成の場、そして自分たちの理想の包丁を求める場として日々精進しています。この研ぎ工房をつくったことは、本当に大きな変化となりました。ファクトリズムではこの研ぎ工房を見学していただけます。
これから見据える未来
堺打刃物にかかわる人や、これから携わっていきたい人、興味がある人など、若い人たちが集まれる場所をつくりたいと考えています。例えば、どこかの職人になったとしても、そこで情報がシャットダウンしてしまい、横とのつながりがなくなることが多いです。でもこれからの時代は、もっと風通し良く、情報交換や技術交流することが求められているのではないかと考えています。 堅苦しいこと抜きで若手が気軽に集まって、みんなでもっと良いモノをつくろう!成長しよう!そんな場をつくれたらいいですね。
会社を一言で表すと?
「包丁にひたむきに向き合っている会社」というのが当社を一言で表す言葉。しかし、これはどこの会社さんでも、職人さんでも同じだと思うんです。皆さんひたむきに取り組んでいます。その中で私たちが考えるのが、伝統工芸品にかかわる者として、その時代に合わせて進化していかないといけないのではないかということです。伝統工芸だからといって、すべて同じやり方に固執するのではなく、「こっちの方が良いものになるんじゃないか?」というのならば、それは改良すれば良いこと。本当に小さなことだったりするんですが、毎日少しずつ進化していく。そんなモノづくりで、ただひたむきに包丁に向き合っています。
つくり手の想い・伝えたいこと
「おばあちゃんからもらったんです」と、30年以上使った包丁を修理に出しに来るお客様がいらっしゃいます。包丁は大事に使うと、それくらい長持ちする道具。私たちは、使い手にとってより良い包丁をつくるために、一つ一つ丁寧にモノづくりをしています。そして、メンテナンスや使い方もしっかり伝え、包丁だけでなく、価格も関係なく、道具を長く大切にできる習慣が生まれるモノづくりを目指しています。
ですからファクトリズムでは、工房の見学だけでなく、包丁の基礎知識を学ぶものや、切れ味を体験できるワークショップなども予定しています。ぜひこの機会に、皆さんがいつも使っている包丁のことを考えてみませんか?