どんなものを作ってる会社?
私たち八田工業は、“真空熱処理専門工場”です。聞きなれない名前だと思いますが、真空熱処理というのは、名前の通り、炉の中を真空状態にして加熱する熱処理のこと。私たちは、お客様から様々な金属部品や製品をお預かりし、この熱処理を施していきます。なぜ熱処理をするのか? それは金属を硬化させるためなんです。例えば自転車のチェーンだって、熱処理をしていないと、100m走る前に切れてしまいます。そういった金属部品・製品に欠かせないのが熱処理であり、当社はその中でも特に真空熱処理を得意としている会社です。
ココに釘付け!
通常熱処理に比べて、真空熱処理ではキレイなまま。その理由は、真空下では酸素がほとんどない為、色が変わらない(酸化しない)というわけです。さらに、変形も少ない。熱処理で金属を加熱した後っていうのは、金属を冷却しないといけないんですが、通常の熱処理は800~900℃の熱を一気に100℃くらいの油に入れて冷まします。そうするとやはり、金属にはストレスがかかるわけです。しかし、真空熱処理の場合は、ゆったりとした冷却方法で冷ますため、ストレスが少ない。つまり、ゆがみがないわけです。だから金属が、良いコンディションのままでいられる。そんな熱処理の技術なんです。
モノづくりの歴史・ターニングポイント
1979年、八田製作所という会社の熱処理事業部だけが独立してできたのが八田工業。その当時の熱処理と言ったら、一番の後発組。それがたまたま真空熱処理やイオン窒化処理というのが出始めた頃で、もう40年以上やっていたら、いつの間にか、その分野に関してはプロフェッショナルになりました。真空の方は意外と他にやっているところが少なく、こちらはやり続けていたら市場は大きくなりませんが、仕事は多くなりましたね。そういったことで、一般的な様々な熱処理、真空熱処理、イオン窒化処理といった熱処理の専門業者として成長することができています。
これから見据える未来
今後チャレンジしたいことは3つ。一つ目は、細いもの、薄いもの、小さなもの「軽薄短小分野」への挑戦です。どこも挑戦していない熱処理をやっていきたいんです。二つ目は、エネルギー多消費産業である当社が、このカーボンニュートラルの世界に対応するために目指すもの、それは「水素熱処理」だと思っています。次の世代のために、誰かがやらなければならないことだと思っています。そして三つ目は、やはり海外で戦いたいということ。もっとレベルが高い国があれば、そこで勉強して、世界の技術者と対等に、肩を並べられるようになりたいですね。そして、世界中でお役に立てる八田工業になることが大きな目標です。
会社を一言で表すと?
「地域の便利屋」それが八田工業です。地域を愛し、地域に愛される会社を目指しています。そのためにスタートしたのが「24時間365日いつでも対応可能」。八田工業は絶対開いている!という安心感で、地域の皆さんからも信頼していただいています。
また、熱処理に関して、社員一人ひとりが「熱処理することによって、自分自身の成長にもつながっている」ということが当社の特徴。熱処理って、単に鉄を硬くするだけじゃないと思うんです。いつも、「自分自身を熱処理しているか?」を自問自答し、さらに他の社員に対しても熱処理できる、つまり良い影響を与えられる。そんな社員たちばかりだと思っています。
つくり手の想い・伝えたいこと
絶対にお客さんに楽してもらわなあかん。ええもんつくらなあかんっていうのは当たり前。「お客さんの競争力になり得るかどうか」だと考えています。そこがポイントですね。上手に焼入れするの当たり前じゃないですか。僕らはプロですからね。そして、あとはお客さんに喜んでもらうと思ったら、真空熱処理にしろプラズマ熱処理にしろ、新しい技術に挑戦していかなければ、お客さんには喜んでもらえない。挑戦していくことこそ、八田工業の魅力だと思っています。