2022.08.01(Mon)

河辺商会の魅力

(この記事は 大阪公立大学2022年度前期 初年次ゼミナール 「地域一体型FactorISMの運営に参加しよう」の学生レポートです)

河辺商会は、チョップレートをはじめ、自動車部品などの製造を手掛ける企業である。商品を製造する際、消費者のニーズに合うために日々工夫がなされている。そこで、どのような工夫が実際になされているかを以下に示す。また、河辺商会で商品開発をする目的は自社の利益を上げることにとどまらない。自社の製品を世の中に広めることを第一の目標にしている。

1. 環境への配慮

 河辺商会の魅力として環境に配慮されていることがあげられる。近年、社会では環境に配慮されているかが重要な論点となっている。その点で、河辺商会のリサイクルや塗装レス成型の技術をより多くの人に知ってもらいたいと考えた。河辺商会では製品を作る際に出た必要のないプラスチック部分も細かく分解して再利用している。さらに金型が制作中に発生するガスや煙によって腐食されないために、3万ショットごとに金型を分解し、より長く金型を使用するための工夫も行っている。また、河辺商会の独自の塗装レス成型の技術が自動車のハンドル部品につかわれてい使われている。この部品はもともと上から銀色の塗装を行っていた。しかし、樹脂に金属をそのまま練りこませることによって、塗装なしで銀色の部品を制作することに成功した。それによって塗装工程で使われていた塗料やシンナーが必要ないため、コストの削減だけでなく、環境にも配慮されている。これらの環境保全への取り組みは、持続可能な社会を目指すうえで重要であり、多くの人に評価されるべきである。

2. オープンイノベーション

色が異なる2種類以上のプラスチックが組み合わさった部品を製造する際、一般的にはそれぞれの部品を作った後にそれらを合成するという工程がふまれる。一方、河辺商会では異なる色のプラスチックを一度に流し込み、それらの色が混ざらないように成形するという多色一体型成型の技術を用いて製造している。そのほか樹脂接合部に発生する線(ウエルドライン)は製品の強度を弱め、見た目の印象も悪い。このウエルドラインを無くす技術は河辺商会で独自に開発された高度な技術で、かつては特許も取得されていたものだ。ところが現在では、その特許は自主的に取り下げられ自由に使うことのできるものとなっている。この背景には、開発した技術を自社で独占するのではなく、より良い技術を社外に広めて使ってもらおうという思いがある。会社個人の利益を追求するだけではなく、社会全体の利益向上を図った「オープンイノベーション」の考え方が取り入れられた取り組みで、市場を盛り上げるうえでも大きな役割を果たしている。

3. CHOPLATE

 CHOPLATEは「まな板になるお皿」が特徴的な商品である。お皿としてもまな板としても成り立つようにするためには様々な工夫がなされている。いくつか紹介していくと、まず、まな板として成り立つように平らなお皿にしているのに加え、切ったものの汁がこぼれないようにお皿の淵が盛り上げられている。また、材料の樹脂にガラスを練りこんだ河辺商会ならではの技術が活かされている。これによって熱がこもりにくくなり、かつ、-10℃~200℃まで耐えられて、電子レンジにも使える機能的なまな板兼お皿となっている。ほかにも、お皿に凹凸を作ることで汚れが付きにくくなるようにもしてある。TVSNSなどの宣伝により、初回予約が1500/日に達した人気商品である。

 コロナ禍の影響で自動車の輸出が減ったことや、初年度のFactorISMの来場者が少なくなっていたのが自社商品のCHOPLATEによって回復に繋がった。そのおかげで、去年のFactorISMCHOPLATEを彫って柄を付けるワークショップを開き、大盛況だった。

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