世界の製造業に貢献する
「モノづくり」のための「モノづくり」
記者からのおすすめポイント
「こちらは大手空調メーカーに、こっちは南米の自動車関連メーカーに納品する機械です」そんな会話が当然のように交わされるユタニの工場。一つの工場内に、様々な業界で使われる産業機械がズラリと並びます。ユタニは、世界中のモノづくり現場で「自動化」を支える産業機械、つまり、“モノづくりするための機械”を生み出す会社。製造業の根幹を支えると言ってもいいユタニで、世界のモノづくりを垣間見てみませんか?
どんなものを作ってる会社?
一言で言うと、私たちが手掛けているのは、「モノづくりのための機械」。例えば自動車や家電、住宅設備など、ほとんどの製品において、人の手だけではつくり上げることができません。大量の製品を効率よく均一につくるには、機械の力が必要不可欠。私たちはそういった産業機械をつくるメーカーです。私たちのつくった製品は、大きなものでは長さ30mを超えるものもあり、自動車関連、建築・住宅関連、家電関連、鉄道関連など、皆さんもよくご存じの大手メーカーで使われています。意外なところでは、貨幣をつくる造幣局でも私たちの製品が使われているんですよ。まさに、私たちの仕事は“モノづくりのためのモノづくり”。
ここがスゴイ!
私たちは図面のないところから、一台一台オーダーメイドで産業機械をつくり上げています。何をつくるための機械で、どういった場所に、どういった使い方をしたいのか? どんな人が何人で使うのか? 材料は何になるのか? いわば注文住宅をつくるような感覚で、お客様にヒアリングを行っていきます。住宅メーカーさんがお客様と一緒に設計図をつくり上げていくのと同じく、私たちもお客様と共にゼロからモノづくりをしていくんです。
そして、そのモノづくりを、営業・設計・開発・製造・組立まで一貫体制で行っていることも特徴。その時、単に作業がつながっているだけでなく、かかわる人が次の人に「バトンをつなぐ」という意識を大切にしています。だから、ネジ締め一つでも慎重に。そこで手を抜くことは、同じモノづくりを行う仲間にも、お客様にも、そしてそのもっと先にある人々にも迷惑が掛かってしまう。そういった同じ想いをつないでいることも私たちの強みですね。
自慢したいプロダクトや技術
「すべての製品が自慢したい製品です!」というのが本音。なにしろどの製品も、お客様と二人三脚でゼロからつくり上げていますので、一つとして同じ製品がないんです。特に当社は、円筒状に巻いた鋼板(コイル材)を搬送するコイルラインや、プレス加工前後の搬送などの機器を得意とし、その自動化・効率化に貢献しています。手掛けた製品が活躍する業界は、冒頭にお話しした造幣局から、自動車、家電、建築、鉄鋼など本当に様々。さらに国内だけでなく海外にも。今や世界20か国以上にも広がっているんですよ。このように世界のモノづくりに貢献しているということが誇りややりがいにもつながっています。
モノづくりの歴史・ターニングポイント
メーカーとしてチャレンジしたことが、当社の大きなターニングポイントです。1937年に創業した当初は、いわゆる「町の鉄工所」。二代目が「自分たちのブランドを持って機械をつくっていこう!」とメーカーを目指してチャレンジしたことで、今のユタニにつながっています。といっても、産業機器メーカーの中では後発。他社がやらないこと、できないことを「じゃあ、自分たちがやります!」と一つ一つチャレンジして、コツコツと実績を積んできました。決して大きな伸びがあったというわけではありませんが、そういった地道な積み重ねが、現在のお客様からの信頼につながっています。
これからチャレンジしたいこと
ロボット事業に取り組んでいきます! ロボットメーカーとタッグを組み、私たちがつくった機械とロボットを組み合わせることで、お客様に「自動化・省人化」のもっともっと幅広い提案ができると考えています。省人化というと、「人を減らす」というイメージが強くなりますが、それだけじゃありません。むしろ人の技術を活かすため、機械でも可能なところを機械に任せ、技術が必要なところに集中する。さらに安全で効率良く作業を進められるといったメリットがあるんです。今回のファクトリズムでも、このロボットを使って、皆さんに私たちがつくる製品の面白さを伝えられたらと考えています。
会社を一言で表すと?
一貫生産でオーダーメイド製品をつくり上げている当社のモットーは「チームワーク」。会社を一言で表すと、このチームワークという言葉が一番しっくり馴染むのではないでしょうか。そして、そのチームで共に成長する「共育」も大切にしています。新卒採用にも注力しているんですが、このプロジェクトも若手メンバーが中心になって進め、共に試行錯誤し、経験を積んで成長しています。通常の業務とはちょっと異なる面ですが、それらの経験が、またモノづくりでのチームワークに返ってくると考えています。
つくり手の想い・伝えたいこと
チームワークを大切にチャレンジし続け、「お客様の満足を越えていく」。その繰り返しが私たちのモノづくりです。そして、目の前のお客様のことだけでなく、例えばそのお客様が製造した自動車を実際に運転する人。その人のために何ができるのか? そこまで考えたモノづくりを心掛け、さらにそういった想いを持った人材育成にも力を入れています。
ファクトリズムに参加したのも、この人材育成の一環。自分たちの日頃の業務を振り返って、その役割や魅力を一般の方々にどう伝えていくか、仲間と一緒に考えて実行していきます。「実は僕たち、世界のモノづくりに貢献するスゴイものつくってるんだ!」って実感してほしいし、この機会に皆さんにも知ってほしい。実はうち、スゴイんです!