現代の「ふすま屋」が提案
“和”からはじまる心地よい暮らし

09_谷元フスマ工飾

所在地 大阪府八尾市山城町5-5-30
TEL 072-998-8861
ホームページ https://t-f-kosyoku.com/

代表取締役 谷元 亨

記者からのおすすめポイント

ただの“ふすま”と侮るなかれ。谷元フスマ工飾がつくるふすまは、皆さんの古いふすまのイメージを一新するはず。カラフルな大小の輪が浮かぶ現代的なデザインのふすまや、華やかなアクセントになる引手。同社では、「和」のテイストを残しながら、現代の暮らしに馴染むふすまや和空間を提案しています。それができるのは、長年ふすまに向き合い、日本の和を創り続けてきたふすま屋だからこそ。このファクトリズムでは、伝統の技術をベースに生み出した、「和」の新しい価値を体感してください。

どんなものを作ってる会社?

平安時代から日本の住宅の「仕切り」を担ってきた「ふすま」。谷元フスマ工飾は、社名のとおり、この「ふすま」をメインとした住空間の間仕切りを企画・製造・施工している会社です。ふすまの他にも、障子やドア、クローゼット、パーテーションといった時代に合わせたあらゆる間仕切りを世に送り出しています。戸建て住宅だけでなく、マンションや団地などの集合住宅、ホテルなどの公共施設でも私たちの製品が使われているんですよ。

ここがスゴイ!①

ふすまは、丁寧に張り替えやメンテナンスを行うことで、「100年以上長持ちする」ということをご存じですか? まさに日本古来のSDGsにつながる道具と言ってもいいのではないでしょうか。そのふすまを長持ちさせるには、やはり“職人の技”が必要不可欠。特に難しいのが、和紙に水を撒いてから貼る工程。紙質や気温、湿度などによって紙の伸び方が違うため、濡らしておく時間や貼り方など、経験と技術が必要になります。他にも、和紙のはがし方や木枠の外し方など、職人ならではの手さばきは当社の自慢の一つ。ファクトリズムでも、ぜひ注目していただきたいポイントですね。

ここがスゴイ!②

2021年、伝統的なふすまや和のテイストを現代的にアレンジしたオリジナルブランド「waccara(ワッカラ)」をスタートしました。引手柄のモダンなふすまをはじめ、手ぬぐいやインテリアアイテムなど、暮らしの中に和を感じてもらえる商品を展開しています。また、「古い和室を洋室にしたい」というニーズにも応え、開発したのがミリ単位でオーダーできるアルミフレーム引き戸『アルマジ』と『ふすまリフォームドア』。この商品のスゴイところは、今あるふすまや障子の枠(敷居・鴨居)を使って、そのまま設置できるという点です。それが実現できるのは、私たちがふすまのことを知り尽くしているから。こういった、現代のデザインや培ってきた技術を活かし、古い和室を生まれ変えることができるのも私たちの自慢なんです。

自慢したいプロダクトや技術

私がこの会社に入社したとき、正直に言うと「こんなカッコ悪いふすまとか和室ばっかりでこの先どうするんだろう!?」って思ったんです。それと同時に、「もっとオシャレなふすまや和室をつくることができるんじゃないか」って。そこでチャレンジしたのが、『華引手』。ふすまを開け閉めする際に手をかける引手に、インクジェットで様々なデザインを施しました。当時はちょうど無地のふすまが流行り出した時期だったのですが、それだと味気ない。この華引手でアクセントになればと展示会で発表したところ、業界内だけでなくテレビなどのメディアにも取り上げてもらいました。現在は約300パターンのデザインが可能です。この華引手がきっかけとなり、皆さんが和の暮らしに興味を持ってほしい。そして、オリジナルブランドのwaccaraで、和のある暮らしを実現してほしいと思っています。

モノづくりの歴史・ターニングポイント

「一歩先を読む」。私たちのモノづくりの歴史は、そういった先のニーズを見越して、チャレンジしてきた歴史でもあります。私の祖父である初代は、1946年に当社を創業し、1970年に本社工場を建設しました。当時、ふすま屋と言えば商店街の一角で土間を作業場にしていたような商売。大きな工場を持つところなんてなかったんです。しかし、当時は高度成長期の真っ只中。初代は思い切った投資をし結果的に街のふすま屋から規模を拡大することができました。さらに2代目である私の父は、ふすまの需要が下がる前に、「これからは洋室も増えてくる。ドアもつくるぞ!」と洋室のクローゼットドアなども手掛けるように。その後実際にふすまの需要は減少し、業者も減っていますが、当社は売上を落としていない。それは、初代がつくった生産力と、2代目がつくったドアというもう一つの軸があったから。改めて、「じいちゃん、オヤジ、スゴイな!」と実感しています。

これからチャレンジしたいこと

先代たちがチャレンジしてきたように、私たちも次代に向けたチャレンジを進めています。一つは、これまでご紹介してきた、自社ブランド『waccara』や『華引手』など、おしゃれな和室や和の暮らしの提案。そしてもう一つは、リフォーム市場へのアプローチです。2030年、新築住宅はピーク時に比べ4分の1に減ると言われています。反面、既存住宅のリフォームが注目され、当社でも約10年前から『和室リフォーム本舗』というネット通販をスタートしました。ネットだけでなく、全体の中でもリフォーム案件が増えていますので、今後も様々なアプローチでリフォーム市場へチャレンジしていきたいと思います。

会社を一言で表すと?

いろいろありますが、「いい人の会社」という表現が一番しっくりきますね。社長の私が言うのもなんですが、本当にいい人が多い。仕事をする上で、いい人だけではダメなのはわかりますが、その良いところを活かしながら、組織としてみんなで成長していけたらいいなと思っています。この業界も高齢化が進んでいますが、私たちは約15年前から新卒採用にも取り組んでいて、職人の技を継承してくれる人材も順調に育っています。いい人が育てるから、またいい人が育つ。いい人が循環している会社です。

つくり手の想い・伝えたいこと

とにかく私たちの仕事は、「居心地を良くすること」だと思っています。自分たちがつくったものが、そこに暮らす人の居心地を良くする。それは、ふすまをはじめとした空間の間仕切りだけでなく、それ以外のものでもいいと思っています。ですから、自社ブランドwaccaraでは、現代的デザインの手ぬぐいや家具も提案しているんです。今後も、居心地を良くするということを軸に、枠にはまらないモノづくりにチャレンジしていきます。

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