人も国も企業もタカヨシジャパンという
“架け橋”を渡って
記者からのおすすめポイント
今や日本の製造業で欠かせない人材となっている外国人労働者。タカヨシジャパンでは、約40年前からベトナム人スタッフとつながり、お互いに尊重しながら信頼関係を築いてきました。だからこそ可能な、日本とベトナムの「架け橋」という役割。そして次は、「人財」の架け橋になりたいというビジョンも掲げ、大きく躍進していきます。ファクトリズムでは、ベトナム人スタッフと一緒に、レーザー加工機のワークショップを行う予定です。国際交流も兼ねて、気軽にご参加ください。
どんなものを作ってる会社?
ベトナムと日本の“架け橋”をつくっている会社です!もともとは、金属加工を行っている高由金属株式会社の子会社として設立されました。現地法人TAKAYOSHI VIETNAMと連携し、ベトナムと日本それぞれの特徴を活かしたモノづくりを行っています。
ここがスゴイ!
当社の強みは、やはり“ベトナムに工場を持っている”という点。例えば、日本では人材不足となっている鋳物の製造や、古い機械が必要となる工程などはベトナムで。試作は日本で行い、加工方法が固まったらベトナムで量を生産するといったふうに、品質やコストなどのメリットを考えて日本とベトナムのモノづくりを組み合わせることができます。さらに、ベトナムのモノづくりはどんどん成長していて、日本のモノづくりに見合った品質を上げることが可能に。これらは日本とベトナム、両方の工場があるからこその魅力ですね。
自慢したいプロダクトや技術
現在様々な技術に挑戦中!親会社である高由金属が50年以上培ってきた巻き取り機械にかかわる部品の製造、リバースエンジニアリングと呼ばれる完成した機械の分解・分析に使われる製品など、新しい技術に挑戦し、モノづくりの引き出しを増やしています。そして、成長の伸びしろは無限大! 意欲の高いベトナム人スタッフと共に成長していきます。
モノづくりの歴史・ターニングポイント
当社とベトナムとの縁は、なんと40年以上も前から。親会社である高由金属株式会社で、一人のベトナム人を雇用したことが始まりでした。八尾市には、ベトナム戦争終結後に国外に逃れた「ボートピープル」と呼ばれるベトナム人が、一時滞在する雇用促進住宅があったこともありました。高由金属に来た彼もそのうちの一人。日本語は苦手でしたが、とてもまじめで一生懸命に仕事を覚えてくれました。そこから途切れることなく、ベトナム人スタッフを雇用することになったのです。2012年にはベトナムに現地法人TAKAYOSHI VIETNAMを設立し、ベトナム人スタッフがメインの工場がスタート。今はタカヨシジャパンを通じて、日本とベトナムの両軸でモノづくりができるようになりました。
これからチャレンジしたいこと
「人財事業にチャレンジしたい!」というのが私の目標です。モノづくりの楽しさを若い人たちにも知ってもらい、人財不足で困っているモノづくり企業の皆さんにつなげていけたらと考えているんです。具体的には、来年のファクトリズムで合同説明会を開催するために、現在いろいろな準備を進めています。まずは、合同企業説明会で各企業さんにアピールをしていただき、学生さんは興味を持った企業のオープンファクトリーに足を運んでもらう。そうするとリアルな雰囲気も感じてもらえて、学生さんにとっても企業さんにとっても良い方向になるのではと見込んでいます。さらに、採用後はファクトリズムに参加した企業さんが集まって、新人研修を行えば、採用人数が少ない場合でも同期のようなつながりができ、企業側はコスト面でもメリットがあります。まだまだ計画段階ですが、これが実現し、モノづくりの現場にたくさんの若手の笑顔があふれるといいですね!もちろん、学生さんは国籍問わず集めていきたいと思います。
会社を一言で表すと?
様々な人と人、国と国の“架け橋”。それがタカヨシジャパンです。 これから計画している人財事業では、モノづくり企業に若い人財をつなぐ架け橋となり、実際のモノづくりでは、日本とベトナムの良いところを掛け合わせる架け橋となります。
私自身、学生の頃は父が経営している町工場に、あまりいい印象を持っていませんでした。「もっと華やかな世界に!」と、新卒で劇団四季に就職。マーケティング関係の職に就き、「みんなと一緒に一つの舞台をつくり上げる」という面白さにハマりました。しかし、結婚後に会社を退職し、改めて父の工場を見てみると、そこには劇団四季と同じように、仲間と一緒になって一つのものをつくり上げる姿が。「モノづくりって、こんなに楽しいものなんだ!」と気付いたんです。その楽しさをたくさんの人に発信し、モノづくり業界を盛り上げていけたらいいですね。
つくり手の想い・伝えたいこと
実は今、ベトナム人にとって日本のモノづくり企業で働くということが、昔ほど魅力的ではないんです。その理由は、日本がベトナム人をただの労働力としてしか見て来なかったから。日本人とベトナム人が同じ能力だったとしても、日本では上に上がれないという環境が多すぎる。でも、欧米ではそうではないですよね?国籍問わず、優秀な人材は登用されるし、起業だってできる。このままでは、日本で働きたいと言ってくれる外国人がいなくなってしまいます。日本国内には、労働力がないのに…。それはつまり、モノづくりの後継者がいなくなるということ。ですから私たちは、人財事業を通じて、国籍問わず個を尊重しながら、その人が活躍できる環境とモノづくり現場のマッチングを行っていきたいんです。
また2022年、八尾市の企業が様々なワークショップなどを開催してつながる「みせるばやお(※)」に、カフェ『架け橋 BRIDGEWORKS』をオープンしました。こちらのカフェをオープンした理由は、ベトナム文化を知ってほしいということ。さらに女性の自立支援という意味も含めて活動しています。イベント時はベトナムの料理も提供していますので、ぜひ皆さんにも食べていただきたいですね。
※「みせるばやお」は、近鉄八尾駅前、LINOAS8階にある共創スペース。八尾市の中小企業・行政・金融機関・大学が連携したコミュニティです。