知育玩具から自動車部品まで
その可能性は無限大!
記者からのおすすめポイント
「この製品使ってた!」そんな完成品のベビー用品から、「自動車のこんなところに使われているんだ!」という普段見えない製品まで、シンコーエステックのモノづくりは、とにかく幅広い。素材だって、金属からプラスチックまでいろいろ。素材が変わるというのは、一般的なモノづくり企業では珍しいことなんです。そんな同社だから、ファクトリズムでは、多種多様な機械や作業現場を見ることができます。ぜひ好奇心いっぱいで楽しんでください。
どんなものを作ってる会社?
自動車関連部品から建築用設備、知育玩具など様々な業界の製品を様々な素材でつくっています。例えば自動車関係では、「足回り」といわれる部品。さらに知育玩具は、皆さんも書店などで見かけたことがあるかもしれません。そして、これらを金型、製品加工、組立までワンストップで製作していることが特徴です。
ここがスゴイ!
シンコーエステックの強みは大きく2つ。一つは、特定の業界にこだわることなく、幅広い業界の製品に対して金型から自社製造できるということが大きな強み。そして2つ目は、素材に関しても、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮、鉄などの金属の他に、プラスチックなどあらゆる素材に対応することができます。
具体的には、自動車関係、建築用設備、医療器具、プラント配管部品、アミューズメント関係など。さらにこういった商品に内蔵される部材だけでなく、知育玩具やベビー用品、キッチン用品といった完成品も手掛け、多彩なモノづくりに挑戦し続けています。こういった様々な業界のお客様と、幅広いモノづくりを経験させてもらうことで、さらに知識や技術、経験が蓄積され、次に活かされているんだと感じています。
自慢したいプロダクトや技術
いろいろな製品をつくっているので、自慢したいものはたくさんあるんですが、例えばこの製品、飲料メーカーさんのプラントで使われる「パイプクランプ」です。一般の方が目にするものではありませんが、こちらは液体が通るパイプとパイプをつなぐ継手の部分をギュッと締め付ける製品。継手の部分は非常に高い水圧がかかりますので、それが外れてしまわないように締め付けているんです。鋳物でつくっているところもあるようですが、割れやすいのがデメリット。当社のようなプレス加工だと、強度もあって、なおかつステンレスだから錆びの心配もない。さらに、非常に難易度の高い穴開け位置なのですが、当社は金型からつくることができるので、何とか工夫して製作することができました。開発には苦労しましたが、プラントのパイプは定期的に洗浄され、その度に交換されることが多いため、ニーズも高いんですよ。
モノづくりの歴史・ターニングポイント
1955年の創業から、初代である現在の会長がシンコーエステックを設立。家電及び電力向け部品、建築金物などを手掛け、時代の変遷に伴い、自動車メーカーの認定工場として、リヤアクスルユニットの関連部品などを手掛けるようになりました。自動車部品にかかわることで技術の引き出しも増え、部品だけでなく「完成品をつくっていこう」と製作したのがマグネットを使った知育玩具。約20年前に発売された商品ですが、ロングセラーとなり、現在は書店などで販売されるようになりました。完成品としては、他にもベビー用品やキッチン用品があり、「つくったものが見える」ということで社員のモチベーションアップにもつながりましたね。
これからチャレンジしたいこと
今はまだ扱っていない材料にチャレンジしてみたいですね。実はすでにスタートしているプロジェクトもあり、まだ詳しい情報を公開することができませんが、国内外で展開するものになりそうです。私たちは、幅広い業界の知識があることが強みですので、今後もそのスタイルは変えることなく、より技術を進化させていきたいと考えています。
会社を一言で表すと?
当社は、現在83歳の会長が立ち上げた会社ですので、この質問には会長からコメントを。
「シンコーエステックは、常に前を向いて、進化していく会社。私は83歳になりましたが、会社と同じくまだまだ先を目指します。会社の方は、2代目が共に働く仲間と、新しいシンコーエステックをつくってもらえればと期待しています。常に前進を!」。
つくり手の想い・伝えたいこと
まずは、お客様に喜んでもらうこと。モノづくりではありますが、“人とのつながり”を大切にし、誠心誠意取り組んでいくこと。それが私たちの想いです。ファクトリズムでは、私たちのモノづくりを見ていただくと共に、皆さんとのつながりもできたら嬉しいですね。大きなプレス機が奏でる音、最後の最後まで丁寧に確認を怠らない職人の目。工場の中でしか見られないリアルを思う存分味わってください。