愛情込めた自家焙煎
できたての“ごま”をどうぞ

20_和田萬

所在地 大阪府八尾市老原7-97
TEL 06-6364-4387
ホームページ https://www.wadaman.com/

代表取締役社長 和田 武大

記者からのおすすめポイント

「こんな“ごま”は食べたことがない!」。和田萬さんのごまを初めて食べた人は、必ずと言っていいほどこう言うのだそうです。実際、取材時に食べさせていただいた私自身も同じ言葉を発しました。「こんなごま初めて!」。その美味しさの秘密は、自社工場を“Sesame roastery(ごま焙煎所)”と呼ぶほどの、自家焙煎へのこだわりにあります。ファクトリズムでは、このほんのり温かい焙煎したてのごまを食べることができるんです。それだけでも足を運ぶ価値があると思いませんか? ここでしか食べられないできたてのごま、ぜひご賞味ください。

どんなものを作ってる会社?

私たちは、国産ごま取り扱いシェア日本一の「ごま」専業メーカーです。ごまを焙煎した「いりごま」、それをすりつぶした「すりごま」、じっくり絞った「ごま油」やペースト状にした「練りごま」、さらにふりかけやドレッシング、お菓子といったごま由来の製品を開発・製造・販売しています。また、減り続ける国産ごまを守るため、国産ごまプロジェクトを始動。自社でもごま栽培に取り組んでいます。私たちの手掛けたごまの味は、国内だけでなく海外からの評価も高く、三ツ星レストランのシェフたちがこぞって和田萬のごまを選んでくれています。アメリカの料理研究家からは、「世界一焙煎が素晴らしいごま」と評価していただきました。

ここがスゴイ!①

“原料3割、焙煎7割”。実は、ごまやコーヒーといったものは、この数字のように原料よりも「焙煎」の方が味に直結するんです。コーヒーの焙煎は皆さんも聞いたことがあると思いますが、ごまも同じように焙煎が最も重要な工程。ごまの味は焙煎で決まります。和田萬では、焙煎歴40年以上の4代目をはじめ、熟練の職人がデータだけでは実現できない、「本当に美味しい味」を自家焙煎によってつくり上げています。何が難しいのか? それは自然の中でつくられる農産物であるごまは、決して毎回同じではないということ。それを職人の経験と勘で、「いつも変わらない美味しさ」に仕上げていきます。特に和田萬のごまは、他社のごまよりも柔らかいことが特徴。それが可能なのは、職人たちが決められたマニュアルや数字だけでなく、“ごまそのもの”に対峙して、常に味を確認し、調整しながら焙煎しているから。ごまは生き物。だから、きちんと向き合うことが必要なんです。

ここがスゴイ!②

生のごまに火を入れ、味や香りを引き出していく焙煎には、「熱風焙煎機」「直火焙煎機」を使用しています。熱風焙煎機は簡単に言うと、ポップコーンのように熱風でごまを躍らせて焙煎するもの。そして、直火焙煎機は、大きな鉄窯で焼き上げる方法です。和田萬では、この焙煎機に他社の4分の1程度の量のごまだけを入れて焙煎しています。つまり、同じ量のごまを焙煎するのに、他社の4倍の手間暇をかけているということ。理由はもちろん、その方が美味しいごまになるから。ファクトリズムでは、この巨大な焙煎機のあるお部屋にもご案内します。めったに体験できない50度を超える室温も体感してください!

自慢したいプロダクトや技術

今から約20年前、約3年の開発期間をかけ、和田萬で初めて「ごま油」を発売しました。きっかけは、スーパーで買ったごく普通のごま油。なんだか味に納得できなくて、「自分たちの専門技術を使えば、もっと美味しいごま油ができるんじゃないか!?」と、みんなで開発することになったんです。しかし、これがなかなか上手くいかない。ごまを絞ってみたら、ほんの少ししか油が出なかったり、凄く苦い油やえぐみがある油だったり。試行錯誤を繰り返していたんですが、小型のごま搾油機で絞ってみたら、思いの外美味しいごま油ができたんです。「めちゃくちゃ美味しい!これなら商品にしたら売れるよね!」と、量産の足掛かりとなりました。量産と言っても、じっくり絞っていくので、今でも1日に1缶しか取れません。希少価値も高く、味にも自信のあるごま油になっています。

モノづくりの歴史・ターニングポイント

和田萬の歴史は今年で139年。明治16年に創業したのですが、当時は乾物問屋。モノづくりは行っていなかったんです。それが第二次世界大戦後、三代目が「新しい時代が来たから、会社をもう一度一から考え直し、製造業をしよう」と、モノづくりにシフトしたんです。そのときは乾物問屋でしたから、他にも豆や寒天、粉類もあったんですが、「ごまが一番いいだろう」と、ごまの製造に特化したのが大きなターニングポイントですね。それから2つ目のターニングポイントが1990年。それまで専門の仕事のみだったのが、BtoCの直販をスタートしたんです。本社の前の直売店や電話での通信販売を始めました。この小売りがきっかけとなって、ごま油や練りごま、ふりかけなど多彩な商品が誕生していきました。

これからチャレンジしたいこと

もっとオープンな工場にして、みんなが気軽に足を運べるようにしたいですね。ごまは、“できたてのごま”が一番美味しいので、それをたくさんの人に味わっていただきたいんです。ファクトリズムに第1回目から参加しているのも、そうやって「本当のごまの美味しさを知ってほしい」という想いが強いから。今年ももちろん、焙煎したてで温かいままのごまを味わっていただけますよ!

会社を一言で表すと?

「ごまで世界平和に貢献する会社」です。そんな大袈裟な!と言われるかもしれませんが、私たちの考え方は、「もしうちの会社がなかったら、世の中が不幸になるかどうか」なんです。そう考えると、「良くはならないよね」と。それはなぜかというと、多くの人が凄く美味しいごまを食べる機会を失ってしまう。人生で幸せを感じる瞬間を、少なくとも一つは失ってしまうわけです。なにしろ、こんなに美味しいごまをつくることができる会社は他にないんですから。だとしたら、和田萬が世の中にあった方がいい。そしてその幸せの瞬間が回りまわって、世界平和に貢献しているかもしれないと。それだけ、美味しいモノの力って凄いんです。

つくり手の想い・伝えたいこと

とにかくスタッフみんな、“ごま愛”にあふれています。ごまは生き物であり、自分たちの子どものように大切に考えています。毎日食べているので、すでに体の一部と言ってもいいかもしれません。ファクトリズムで当社に足を運んでいただいた皆さんにも、少しでもそのごま愛が伝わるといいですね。当日は、できたてのごまが味わえるだけでなく、ワークショップも開催予定です。カセットコンロとお鍋で実際にごまを炒ってもらい、そのごまと工場で焙煎したごま、スーパーで買ったごまの3種を食べ比べていただきます。さて、どれが一番美味しいか? ぜひチャレンジしてくださいね。ごま愛いっぱいでお待ちしております!

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