2022.08.01(Mon)

〜よりよいものを、より長く〜 堺自慢の伝統産業 「角野晒染」 の和晒の魅力を徹底解析!

(この記事は 大阪公立大学2022年度前期 初年次ゼミナール 「地域一体型FactorISMの運営に参加しよう」の学生レポートです)

和晒(わざらし)って何がいいの?

はじめに、角野晒染さんの製品の特徴を紹介していこうと思います。こちらの製品、なんといっても品質がとっても良いんです。具体的には、綿本来の柔らかい肌触り、吸水性・通気性・保温性が高いなどです。角野晒染さんでは、これらの特徴を持ったガーゼマスクやパジャマの製造が行われています。マスクであれば、気温が上がるこれからの季節でも肌荒れを防ぎつつ快適に過ごすことができ、パジャマであれば、クーラーの効きすぎによる冷えから身を守りながら暑さを和らげ、快適な睡眠を取ることができますね。ではなぜ角野晒染さんの製品は高品質なのでしょうか?これには角野晒染さんの和晒という製作工程が深く関わっています。

ずばり! 高品質の秘訣は職人さんのこだわりだった!

ここでいきなりですが問題です!和晒の精錬にかかる時間は、普段私たちが着用する衣服の大部分を担っているとされる洋晒の何倍でしょう?正解は・・・なんと30倍です!!ではなぜそれだけの時間をかけるのでしょうか。それは長時間釜の中で煮込むことで油分や綿カス、糊などの不純物をとり、肌触りをよくし、通気性や保湿性を最大限高めるためです。また、長く煮込むだけでなく、圧力をかけずに精錬、水洗いで洗浄、と次々工程を重ねることで毛羽と繊維にストレスを与えないようにしています。 注染で染め上げる工程もほとんどを人の手で行われるため、繊維がつぶれにくく通気性に優れ、肌ざわりも柔らかく仕上がります。このように和晒の製造は決して楽なものではありませんが、労力を惜しまずにこだわり抜いて作り上げることで、質の高い製品をつくっているのです。

お肌にも地球にもいい和晒!

和晒が高品質で魅力にあふれた製品であること、そして職人の方々のこだわりが強く表れていることがよくわかりますね。興味が出てきた、実際に買ってみたい、使ってみたいと感じる方もいるのではないでしょうか。ですが、「和晒って少し高価かも・・・」と思う方もいるかもしれませんね。ですが、その分長持ちしますし、着心地はとても良いのです。

よりよいものを、より長く。  

さらに、和晒を使うことは、他にもメリットがあるのです。

まず、物を大事に使う心が育つ、ということです。品質の低く長持ちしないものを何度も買うよりも、品質の高く長く使えるものを買う方が、より満足感を得られます。職人さんたちがこだわりを持って作った、品質が良い製品を選んだ、という意識があるだけでも、それを長持ちさせよう、大事にしようという心が芽生えます。また、のちに紹介する晒染体験で作ったものであれば、体験の思い出と、自分だけのオリジナルであるということで、さらに思い入れが強くなりますね。

 2つ目は、SDGsにも貢献できる、ということです。安いものを大量に買う、という大量生産・大量消費の考えを改めるものであるためSDGsの項目の一つである「つくる責任、使う責任」につながるのです。物を長く使い、みだりに捨てないことで、資源やエネルギーの無駄も減らせる、というちょっとスケールの大きな利点もあったりしますね。

自分だけの手ぬぐいが作れちゃう!? 晒染体験してみた!

角野晒染さんでは手ぬぐいを染める体験をすることができるので、私たちも実際に体験してきました。体験の前には詳しく手順や模様について説明してもらえるので安心して体験に臨めますよ。まず、模様を決めるため、正三角形または二等辺三角形に折られた生地のどちらかを選びます。私たちの中では正三角形に折った時の模様を気に入った人が多かったようで、ほとんどが正三角形を選んでいました。どちらも素敵だったのでぜひ二等辺三角形の生地にも挑戦してみてくださいね。

次に色を決めて染めていきます。ピンク、緑、紫、黄、青、灰の6色の中から1~3色選ぶことができ、何色で染めるかによっても仕上がりが変わるので、センスが問われます。そしてやり直しがきかない染めの作業では、それまでわちゃわちゃしていた空気が一変、緊張した雰囲気が漂う中で生地を染料に漬ける手元に集中していました。

水洗いして脱水、乾燥の工程を経て、鮮やかな模様が現れオリジナル手ぬぐいが完成!それぞれの個性が出て、お気に入りの1枚が出来上がりました。

とっても楽しく、きれいでサラサラな手ぬぐい染めの体験ができるので、ご家族やお友達との思い出作りにも良いかもしれませんね。今回の体験は手ぬぐいの雪花絞り染めのコースでしたが、ほかの染め方やガーゼストールコース、浴衣コースもあるそうです。ぜひ皆様も足を運んでみてください!

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