三代目赤坂兵之助は、
受け継いだ技術を美しく進化させる

07.赤坂金型彫刻所

所在地 大阪府八尾市楠根町5-57-11
TEL 072-995-2853
ホームページ https://www.cho-cocu.com

代表 三代目 赤坂 兵之助

会社の歴史

1940年に初代赤坂兵之助が創業。大阪市で仏像の彫刻師として腕を磨いていましたが、ものづくりの技術を戦後の復興に生かすことを自らの道と決め、工業製品の金型彫刻に注力。鋭い刃先で繊細な彫刻を施す技法「赤坂式半月彫刻法」を生み出し、子孫に伝授。現在、創業者の孫にあたる三代目が受け継ぎ、独自性の高い金型彫刻に取り組んでいます。

強み・特長

約0.05㎜の極小の刃先「半月一枚刃」を切削機械に取り付け、金属に彫刻する切削技術「赤坂式半月彫刻法」が当社技術の核であり、強みです。この繊細な金型彫刻は名酒「獺祭(だっさい)スパークリング」のキャップの刻印にも生かされています。一方で、金属のアクセサリーブランド「cocur コクール」を立ち上げ、唯一無二の彫刻技術とデザイン性を融合した商品をリリースしています。

今後のビジョン

次世代を担う子どもたちにも、ものづくりの楽しさを伝えたい。そんな思いで取り組んでいます。当社が製造する金型は主にプラスチック製品の製造に使われますが、環境にやさしい、生分解性プラスチック(PLA)についての知識を深め、SDGsに関わっていきたい。今後、自社ブランド「cocur」の商品ラインナップも充実させ、金属を削ることで生まれる緻密な世界やワクワク感を提供したいと思います。

今回、オープンファクトリーFactorISMに参加しようと
思った理由・背景について教えてください。

赤坂金型彫刻所の仕事を多くの人に知って欲しいという思いからです。昨年、この企画を含む、町工場を対象にした八尾市のプロジェクトを通して、横のつながりの大切さを知ったのも理由です。「ひとりではなにもできない。でも、自分の得意なことで世の中に貢献すれば良い。自分が苦手なことは助けてもらおう」という考えが生まれ、視野が広がり、他者とのコミュニケーションも大切にするようになりました。

オープンファクトリーイベントのプログラム構想・内容、
来場者に特に伝えたいことを教えてください。

私の仕事場でもある、工場をご案内します。また、ワークショップも計画中。少しでも多くの方に来ていただきたいので、楽しんでいただける内容を考えています。金型をつくる機械や道具が数台並んでいますが、どれも役割があり、多くの人にとって見たことのない機械だと思います。ワークショップも金属に触れるおもしろさを感じられる内容にしたい。自社ブランド「cocurコクール」のアクセサリーも展示しますので、ぜひ手にとって、その軽さと繊細さを確かめてください。

地域を超えて企業同士が繋がる出会いに期待することを教えてください。

八尾市のみなさんや企業に揉まれて、今の自分がいます。八尾の街に育てられたとも言えますね。地域の人や企業と交流が深まることで、私も視野が広がり、心強さも感じています。ものづくりの精神を次世代の人にも知ってもらいたく、ものづくりの学校のような場所をつくることができたらいいなと思っていたとき、大阪工業大学非常勤講師のお話が舞いこんできました。こんなつながりができたのも、地域のみなさんのおかげだと思います。

今、御社にどんな「刺激」が欲しいですか?

見たことのないものを見たときは、刺激を受けますよね。私もそれを経験しました。それは、2019年にドイツで開催された国際見本市へ行ったときのこと。実は人生で初めての海外旅行だったのです。
このとき、プラスチック工場で、ペットボトルのキャップを成形する場面を見ました。一回の金型を打つことで240個も出来上がる! 日本であれば、考えられない数。もう、びっくりです。短時間に大量のキャップを生産できれば、ペットボトルに入った水を早く多くの人に届けられる。水は人の命につながります。こんなところにも金型の技術が生かされていることを知ると同時に、海外のものづくりのダイナミックさに触れ、刺激を越えた「衝撃」を受けました。

御社の一番のこだわり「ここを見ろ!」を教えてください。

私が祖父と父から受け継いだ「赤坂式半月彫刻法」は、半月一枚刃と言われる刃先が基本になります。この方法に欠かせない機械が平面彫刻盤。回転工具のひとつで、1983年製のものです。ものづくりには、職人の技術を最大限に生かすための優れた機械や道具が必要。長く刃物や機械に向き合うことで、「刃物と息が合う」感覚も生まれます。機械を通して、そんなものづくりの醍醐味もぜひ感じてください。

来場者へのメッセージ

「ものづくりはワクワクしながら、楽しむもの」。これをコンセプトに仕事を続けています。最近では、素材が土に返る生分解性プラスチックにも興味がわき、この素材を生かした定規やクリップなども製作しています。また、うれしいことに、さまざまな分野のものづくりの担い手や職人と消費者を結ぶ、全国規模のプロジェクトにもつくり手として参加が決まりました。ものづくりは楽しく、刺激的です。ぜひそれを体感してみてください。そして「こんな仕事をしてみたいな!」と思う若い人が増えればうれしいですね。

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共催

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