手間ひまかけた和晒に求めるのは、
汚れのない純白と、頬ずりしたくなる風合い
会社の歴史
天然繊維である木綿には、油分や色素などが含まれています。これらの不純物を取り除く工程が和晒(わさらし)。和晒の職人が多く存在した堺市で、1931年(昭和6年)に創業。長年、和晒のみを担ってきましたが、染色やプリントなども手がける一貫体制を構築。昔ながらの和晒を守りながらも、自社ブランド商品の企画開発にも取り組んでいます。
強み・特長
約4日間、綿生地を釜に入れ、煮ながら精錬、水洗いにより不純物を取り除く方法は、手間ひまがかかり、簡単に真似のできない製法です。この和晒の技術を活かし、手ぬぐい、浴衣風のねまき、ガーゼパジャマ、作務衣などを製造。綿本来の風合いを損なうことなく、思わずほおずりしたくなるような、やさしく安心感のある肌ざわりを実現できるのが強みです。
今後のビジョン
ロール捺染(なっせん)機やスクリーン機を導入し、和晒から染色まで一貫生産を実現しています。和晒ガーゼパジャマ「panema」や、綿の心地よさにこだわった婦人服ブランド「MUSUBI」など、自社企画・製造商品にも注力し、和晒の良さを反映した商品づくりに取り組んでいきます。同時に、堺の伝統産業である手ぬぐい文化の伝承にも情熱を注ぎ、次世代に伝えていくビジョンを描いています。
今回、オープンファクトリーFactorISMに参加しようと
思った理由・背景について教えてください。
堺市の地場産業のひとつに「手ぬぐい」があります。ところが、案外知られていないんですよね。手ぬぐいや浴衣をもっと多くの人に知って欲しい。そんな思いから、昨年に続き、オープンファクトリーに参加しました。堺市で開催された、手ぬぐいの魅力を伝える「てぬぐいフェス」に参加したとき、「染め体験」が予想外に好評で(笑)、行列ができるほどでした。これをきっかけに、単発の体験に終わらず、染め体験を事業化したいと思うようになったのも理由のひとつです。また、将来の大阪万博につながるものになれば良いとも思っています。
オープンファクトリーイベントのプログラム構想・内容、
来場者に特に伝えたいことを教えてください。
染め体験と工場見学を合わせた内容を計画しています。染め体験は、オリジナル手ぬぐいをつくります。染めの方法は雪花絞りといい、雪の結晶のような模様が特徴です。生地を重ね、板にはさみ、染め、水洗いをし、脱水。最後にアイロンがけをして完成。スタッフがていねいにお教えしますので、失敗なし、染め体験が初めての人も楽しく参加できますよ。
地域を超えて企業同士が繋がる出会いに期待することを教えてください。
昨年の「FactorISM」で他社の事業を知りました。互いの事業内容について話をしていたら、つながる部分もあり、良いご縁ができました。さまざまな技術と商品を持つ企業が集まり、地元の文化や伝統を楽しく伝えられるようなイベントにしていきたいですね。私も社員も楽しみにしています。
今、御社にどんな「刺激」が欲しいですか?
私が主導するのではなく、社員がアイデアを出し合い、オープンファクトリーの内容を決めて欲しいと思っています。自分たちが大切にしている技術や商品に興味を持ってくれるお客様がいる。それを実感できるのが何よりの刺激になります。特に、これから自社ブランドをもっと充実させていこうとしている現在、お客様の声を聞くのは良い経験になりますし、商品企画のヒントにもなります。
御社の一番のこだわり「ここを見ろ!」を教えてください。
工場では、晒を乾燥させる工程で使用する大型の機械、シリンダー乾燥機、スクリーンプリントの機械、ロール捺染機などが並んでいます。ぜひじっくり和晒の製造工程を見てください。ダイナミックなものづくりの現場に驚くかも。また、染め体験もおすすめ。染め上がりを見るときはワクワクしますよ。達成感と充実感たっぷりの体験です。大人が側にいれば、5歳くらいの子どもさんも体験できますよ。